結納とは?結納金・結納返しとは?使い道や相場、費用は誰が出す?
結婚にはいくつかの工程があります。入籍自体は婚姻届を提出するだけですが、実際には結婚式や新婚旅行、新居の準備など様々ありますよね。
その中で本人達だけではなく、両家の親族が大きく関わってくるのが結納や結婚式です。
ただ、初婚の方、特に若い方は結納に対してあまりなじみがないという方も多いでしょう。
では、結納とはそもそもどういったものなのでしょうか。そこで、結納について、また結納金や結納返し、結納金の使い道や相場、平均金額などについてまとめました。
結納とは?
結納とは、結婚前に結婚をする二人と両家の家族が行う伝統的な儀式です。
結納には、両家を結びつけるという意味があり、二人が正式に婚約をした証にもなります。
結納では、両家がそれぞれ贈り物を贈ったり、料理でもてなすといった内容で進行されます。
結納は結婚を決めた二人が両家の家族と行う最初の儀式となりますので、非常に重要なものと考えられてきました。
ただ、最近では手順を簡略化した略式結納や結納という形をとらずに両家の顔合わせを目的とした食事会をするというケースも増えてきています。
正式結納・略式結納の違いは?
正式結納は、仲人を立てて結納を行います。正式結納では仲人が両家から結納品などを預かり、両家に出向いて渡すといった方法をとります。そのため、正式結納の場合は、結納で両家が顔を合わせることがありません。
対して、略式結納は両家が女性側の家やホテル、料亭などに集まって結納を行うスタイルになります。略式結納では、仲人を立てて進行する場合もありますが、最近は仲人を立てずに両家だけで行うケースが一般的になっています。
正式結納とは?
正式結納は、仲人を立てて両家は顔を合わせずに進行します。結納品の受け渡しなども仲人が両家に出向いて行います。
略式結納とは?
略式結納は、仲人の有無は自由ですが、両家が顔を合わせて進行します。また、結納の儀式と併せて食事をするのも一般的です。
結納金とは?結納返しとは?
結納金とは、結納の際に男性側が相手に贈る結納品の中の1つです。結納金は、御帯料や小袖料という名称で贈られます。
結納金は結婚するにあたっての準備金という位置付けになります。
そして、男性側にもらった結納金に対して、女性側がその一部を返すのが結納返しです。
ただ、結納返しでいくら返すのかは、地域やその家の風習によって異なります。
関東の場合では、もらった結納金の半分という場合が多いのですが、関西ではそもそも結納返しをしないという場合も多いようです。
また、結納返しはお金ではなく、スーツや時計など相応の金額の物で返すという場合も少なくありません。
結納品とは?
結納品とは、結納をする際に男性側が用意して女性側に贈る品物です。男性が婿養子として女性側の姓になる場合は、逆に女性側が用意して男性側に贈ります。
結納品は結納当日までに贈る側が用意しておく必要があります。結納金も結納品の中の1つになります。
結納品の種類は地域によって異なりますが、百貨店やホテル、結婚式場などに頼めば用意してもらえます。
では、結納品は結納金以外にどういったものが必要なのでしょうか。
結納金の他に必要な結納品は?
結納金の他に必要な結納品は、縁起の良い末広や熨斗、食品やお酒などを含む3、5、7、9品目です。
結納品の数は3~9の奇数と決まっていて、正式結納の場合は9品目、略式結納の場合は3~7品目で用意します。
また、上記の結納品の他に必要となるのが、目録と受書です。目録は結納品の数と品名が記載されていて、受書は結納品を確かに受け取ったという証拠になります。
他にも、結納では、両家共に婚約記念品を用意する場合もあり、指輪を贈るのが一般的となっています。
結納金の使い道は?結納金で何を買うの?
結納金の使い道は、特にこれといって決まっているわけではありません。そのため、どういった使い方をしても自由と言えば自由です。
ただ、結納金の位置付けは、あくまでも結婚するための準備金となりますので、一昔前であれば、花嫁さんの衣装や着物などを用意するお金に当てるというのが一般的でした。
しかし、最近は結納金を結婚式を挙げる費用に当てたり、新しい家具の購入に当てたりする場合も多くあります。
また、場合によっては女性側の両親が預かっておくということもありますので、花嫁さんが自由に使えないケースもあるようです。
ただ、一般的には結婚するために必要な物や支払いの際に使用するという場合が多いようですね。
結納金の相場はいくら?結納金の平均金額は?
結納金の相場は、地域によって異なりますので一概には言えませんが、一般的には100万円が定番です。
結納金は、基本的にはキリが良い数字、もしくは縁起の良い数字で用意します。そのため、100万円以外では、50万円や70万円といった奇数が頭につく金額や、末広がりの意味で80万円という場合もあります。
そのため、結納金は50万円~100万円が相場で、全国的な平均金額を見てもおおよそ100万円前後となっています。
ただ、最近は結納返しを省略するために、最初から結納金を少なく贈るというケースもありますので、地域や両家の考え方によって様々ですね。
婿養子をもらう場合の結納金の相場は?
上記に記載した結納金の相場や平均金額は、男性側が女性をお嫁さんにもらう、つまり女性が男性側の姓になる一般的な結婚の場合のものです。
ただ、逆に女性側の家が男性を婿養子にもらって結婚するというパターンもありますよね。
男性を婿養子に貰う場合は、女性側が結納金を用意するのですが、通常の2倍~3倍の結納金を用意するのが一般的とされています。
そのため、婿養子をもらう場合の結納金の相場は、通常の結納金の相場が100万円とすると、200万円~300万円ということになります。
結納の費用は誰が出すの?
結納の費用は誰が出すかについては、基本的には結納金や結納品に掛かる費用は男性側、結納を行う会場や食事の費用は女性側となります。
婿養子を貰う場合は、上記の男性側、女性側が逆になりますね。
また、結納に掛かる費用は、結婚する二人が出す場合もありますが、それぞれの両親が出す場合もあります。
こちらは、地域やその家の風習、考え方によって異なりますので、特に子供が出す、あるいは親が出すと決まっているわけではありません。
また、上記で記載したように、結納を行う会場や食事代の費用は女性側が出すのが一般的ではありますが、家によっては両家で折半するということもあります。
ただ、どちらにせよ、結納を行う際にはどちらが何の費用を支払うのか予め決めておかないと、後々トラブルの元になりますので注意しましょう。
結納の費用分担例
女性が男性側の籍に入る場合
結納品・結納金 | 男性側 |
結納の会場・食事代 | 女性側 |
男性が女性側の籍に入る場合
結納品・結納金 | 女性側 |
結納の会場・食事代 | 男性側 |
結納を行うかどうかは両家次第
一昔前なら、結婚するなら結納をするのが当たり前というのが一般的な考え方でした。
ただ、最近は費用や手間の掛かる結納を行わず、顔合わせの食事会のみで済ます、あるいは特に食事会も行わないという場合も多くなっています。
そのため、結婚するなら結納が必須という考えは薄れてきましたが、中にはやはり昔からの風習を重んじるご家庭もあります。
両家の考え方が同じであれば問題ないのですが、考え方が異なると結納をする、しないで揉めてしまうケースもあります。
結納は確かに重要な儀式ではありますが、今後両家が付き合っていく中でどういった形が良いのかきちんと話し合っておくことが大切だと言えます。