割賦販売法とは？割賦販売法の仕組み・割賦販売法のルールは？
商品を購入する際は、現金で支払う場合もあれば、クレジットカードで分割払いをしたり、個別にローンを組んで支払う場合もありますよね。
クレジットカードなどで取引をする際のクレジット契約は、いわゆる後払いで代金を支払うシステムになりますので、非常に便利な一方、様々なトラブルが起きやすい性質があるのも事実です。
そのため、クレジット契約に関する規制を設けて、消費者を守るための割賦販売法という法律が施行されています。
割賦販売法はあまり聞いたことがない法律かもしれませんが、身近なクレジットカードにも大きく関わっている法律となりますので、ある程度の仕組みやルールを覚えておくことをおすすめします。
割賦販売法とは？
割賦販売法とは、クレジットカードなどのクレジット契約に対して適用される法律となります。クレジットカードの分割払いは、何回かに分けて代金を支払うことが出来ますので、一括での支払いが難しい時に非常に便利ですよね。
しかし、分割払いは1回の支払いが少額で済むため、自分の支払い能力を超えた買い物をして、後から返済が困難になるなどのトラブルが発生しやすいという面もあります。
また、クレジットカードだけではなく、個別にクレジット契約を締結する訪問販売などもトラブルの多い取引となります。
そこで、クレジット契約に関するトラブルから消費者を守るという目的で施行されているのが、割賦販売法になります。
割賦販売法は何度か改正されており、2010年にはクレジット契約に対する規制をより強化した内容に改正されています。
割賦販売法の適用範囲は？
割賦販売法は、上記で記載したようにクレジット契約に対して適用される規制となりますが、クレジットカードの場合、適用されるのは分割払いのみです。
仮に、クレジットカードを利用して商品を購入しても、一括払いで代金を支払う場合は割賦販売法は適用されません。
また、クレジットカード会社が定義する分割払いは、一般的に3回以上となり、以前の割賦販売法も3回以上の分割払いに適用されていました。
ただ、現在はより割賦販売法の適用範囲が拡大され、2回払い、そしてボーナス一括払いにも適用されるという内容に改正されています。
また、クレジットカードには、ショッピング枠とキャッシング枠がありますが、割賦販売法が適用されるのは、ショッピング枠のみです。キャッシング枠には貸金業法が適用され総量規制の対象となります。
総量規制とは？クレジットカードのキャッシング枠は総量規制の対象？
割賦販売法の仕組み・割賦販売法のルールは？
割賦販売法では、クレジット契約における消費者保護や悪質商法の助長を防ぐための訪問販売に対する規制、クーリングオフ制度の導入など消費者を守るための様々な仕組み・ルールが定められています。
例えば、訪問販売では過剰な量の商品を販売した場合、契約後1年以内であれば契約を解除できる、また契約をしない意志を示している消費者に対しての勧誘を禁止するといったルールがあります。
他にも、商品を販売する度にクレジット契約を結ぶ、いわゆる個別クレジットの業者は登録制とし、調査義務が課されるなどの仕組みもあります。
中でもクレジットカードの利用者やこれからクレジットカードの申し込みを考えている方に大きく関わってくるのが、割賦販売法の過剰与信防止義務です。
割賦販売法の過剰与信防止義務とは？
割賦販売法の過剰与信防止義務とは、クレジットカードの利用者が自分の支払い能力を大幅に超えた取引をしないように、カード会社が利用者の支払い能力を調査することを義務付け、支払い能力の範囲内でカードを利用できるようにするというルールです。
過剰与信防止義務の導入以降、カード会社では利用者の年収や生活維持費などから支払可能見込額の算出を行っています。
支払可能見込額とは、カード利用者が問題なく日常生活を送りながら、過度な負担なく支払いが出来ると考えられる1年間のクレジットカード利用金額です。
支払可能見込額の算出方法は、「支払可能見込額＝年収－生活維持費－年間請求予定額」です。カード会社では、支払可能見込額の90％以内でクレジットカードの利用限度額を設定する流れになります。
割賦販売法は安全なクレジット契約を守る制度
割賦販売法は、消費者がより安心して安全なクレジット契約をするためには、欠かせない重要な制度となります。
現在は販売形態も多種多様となっていますので、クレジット契約に関するトラブルも急増しています。そのため、割賦販売法では消費者保護を第一の目的として度々改正がなされてきました。
特に最近は、カード会社に過剰与信防止義務による支払可能見込額の算出を義務付けるなど、クレジットカードに関する規制も強化されています。
割賦販売法は、悪徳商法から消費者を守るだけではなく、自分の支払い能力を超えた無理なクレジット契約を未然に防ぐことにも役立っているのです。
