生活維持費とは?年間請求予定額とは?生活維持費を計算するには?
現在クレジットカードのショッピング枠には、利用者がクレジットカードの使い過ぎなどで返済に困ることがないよう、割賦販売法に基づく規制が設けられています。
割賦販売法では、年収や生活維持費、年間請求予定額から、利用者が無理なくクレジット払いで支払うことが出来る金額、つまり支払可能見込額の調査がカード会社に義務付けられています。
支払可能見込額は「年収-生活維持費-年間請求予定額」という計算式で算出するようになりますが、年収から差し引く生活維持費や年間請求予定額はどういったものなのでしょうか。
そこで、支払可能見込額を計算するための生活維持費と年間請求予定額について、また生活維持費の算出方法・計算方法についてまとめました。
生活維持費とは?
生活維持費とは、文字通り生活を維持するために掛かる費用です。生活をするためには、家賃や食費、光熱費など様々な費用が掛かりますよね。
ただ、支払可能見込額を算出するための生活維持費は、実際に利用者が支払っている家賃や光熱費などを計算して申告するというわけではありません。
支払可能見込額を算出する際には、法律で定められた生活維持費をそのまま適用するようになります。
ただ、生活するために掛かる費用は、人それぞれ異なりますよね。そのため、法律で定められた生活維持費でも、家賃や住宅ローンの負担があるかどううか、そして生活している人数によって金額が異なります。
支払可能見込額とは?支払可能見込額の計算の仕方・算出方法は?
生活維持費を計算するには?
割賦販売法の生活維持費の算出方法・計算方法としては、特に自分の食費などを計算する必要はなく、単純に法律によって定められている金額を当てはめるようになります。
生活維持費は、居住形態と同一生計人数によって、それぞれ所定の金額が定められています。
居住形態は、住宅ローンや家賃の支払いなどの負担があるかどうかの違いです。また、同一生計人数は、同居、別居に関わらず生計を同じくする人数で、1人、2人、3人、4人以上でそれぞれ生活維持費が定められています。
例えば、毎月賃貸の家賃を支払っていて、夫婦2人家族の方は177万円、持ち家で住宅ローンもない5人家族の方は200万円が生活維持費となります。
居住形態:住宅ローン・家賃支払なし
同一生計人数1人:90万円
同一生計人数2人:136万円
同一生計人数3人:169万円
同一生計人数4人以上:200万円
居住形態:住宅ローン・家賃支払あり
同一生計人数1人:116万円
同一生計人数2人:177万円
同一生計人数3人:209万円
同一生計人数4人以上:240万円
上記の居住形態や同一生計人数は、クレジットカードに申し込んだ際の情報が反映されます。ただ、仮にカード会社にカード利用者の居住形態や同一生計人数の情報が無い場合は、法律に基づき生活維持費は一律240万円で計算されます。
年間請求予定額とは?
年間請求予定額とは、1年間に利用者が支払う予定の債務の総額になります。ただ、年間請求予定額に一括払いでの支払い金額は含まれませんので、対象となるのは2回以上の分割払い、リボ払い、ボーナス一括払いの金額になります。
つまり、今後1年間に一括払い以外のクレジット払いで、いくら請求があるのかを考えれば良いということです。
また、年間請求予定額は、全てのクレジット利用履歴などを管理している指定信用情報機関を利用して調査されますので、他社のクレジットカードやローンなどの債務も合算されます。
そのため、新たに申込んだクレジットカードでも、他社でクレジットカードやローンなどの債務がある場合は、年間請求予定額が発生するということになります。
住宅ローンや家賃支払いがあると利用限度額が少なくなる
クレジットカードは、「支払可能見込額=年収-生活維持費-年間請求予定額」で支払可能見込額が算出されるようになります。
そして、支払可能見込額の90%以内になるように、ショッピング枠の利用限度額が設定されます。
支払可能見込額は、年収から生活維持費と年間請求予定額を差し引いた金額になりますので、生活維持費と年間請求予定額が少ない方が支払可能見込額は多くなります。
生活維持費は、同一生計人数と住宅ローンや家賃支払いの有無で法律で定められている金額が異なり、同一生計人数が多い場合はもちろんですが、住宅ローンや家賃支払いがある方が生活維持費が高く設定されています。
つまり、住宅ローンや家賃支払いがあると年収から差し引かれる生活維持費が多くなりますので、結果的にショッピング枠の利用限度額も少なくなるのです。