ICカードと磁気カードの違いは?見分け方・セキュリティは?
クレジットカードやキャッシュカード、ポイントカードやプリペイドカードなど、カードは私たちの生活には欠かせないものとなっていますよね。
普段何気なく使っているカードですが、実は現在利用されているカードは、大きく分けるとICカードと磁気カードという種類に分けられます。
最近クレジットカードやキャッシュカードを新しく作ったという方は、ICカードになっている場合がほとんどだと思いますが、磁気カードもまだまだ多く利用されています。
そこで、ICカードと磁気カードの違いについて、またICカードと磁気カードの見分け方や各カードのセキュリティについてまとめました。
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ICカードと磁気カードの違いは?
ICカードと磁気カードの違いは、基本的には記憶媒体の違いとなります。ICカードはカードに埋め込まれたICチップで情報を記憶したり、処理する仕組みとなります。
ICカードとは?ICチップとは?IC搭載のカードの種類とは?
対して、磁気カードは、カードに張り付けられた磁気ストライプと呼ばれる磁気テープで情報の記憶や読み取りを行います。
磁気カードとは?磁気ストライプカードとは?磁気カードの種類は?
上記の記憶媒体の違いによって、ICカードと磁気カードにはそれぞれ様々な特徴や違いが生じてきます。
ICカードと磁気カードの違い
ICカードと磁気カードの違いとしては、まず記憶できる容量の大きさが挙げられます。また、他にもICカードと磁気カードにはカードの発行コスト、そして読み取り機の導入コストにも違いがあります。
容量の大きさ
ICカードと磁気カードは、容量の大きさにかなりの違いがあります。磁気カードに記憶できる容量はおおよそ72バイト程です。
一方でICカードの場合は、カードによってだいぶ差がありますが、2キロバイト~1キロバイト程の容量を記憶することが可能です。つまり、ICカードと磁気カードの記憶容量には、実に数百倍もの差があるということなのです。
そのため、磁気カードではクレジットカードならクレジットカード、キャッシュカードならキャッシュカードというように基本的に1枚のカードには1つの役割のみとなっていますが、ICカードでは1枚のカードでクレジットカードとキャッシュカード、あるいは電子マネーや定期券など複数の役割を持たせることが可能なのです。
コスト面
ICカードと磁気カードには、コスト面にも違いがあります。カードを発行するコストは厳密には明らかにされていませんが、磁気カードの場合は1枚あたりおおよそ100円程度です。
ICカードについては、以前に比べるとコストも下がってきましたが、1枚あたり300円~500円程度のコストが掛かるとされています。
また、ICカードの読み取りには、ICに対応した専用の端末が必要になりますが、IC用端末は従来の磁気カード用の端末に比べると価格が高く設定されています。
つまり、ICカードは、カードの発行と専用端末の導入に掛かるコストが磁気カードと比べるとかなり高額になるという点があります。
ICカードと磁気カードの見分け方は?
ICカードと磁気カードの見分け方は、基本的にはカード券面を見れば簡単に確認することが出来ます。
ICカードと磁気カードには、記憶媒体の違いからカード券面に特徴がありますので、ICカード、磁気カードにそれぞれどういった特徴があるのかを覚えると良いでしょう。
ICカードと磁気カードの見分け方
ICカードと磁気カードの見分け方は、カード券面にICチップが埋め込まれているか、あるいは磁気テープがはられているかを確認することです。
ICチップが埋め込まれていればICカード、磁気テープがはられていれば磁気カードとなります。
ICカードの見分け方
ICカードの見分け方は、カード券面の表面にICチップが埋め込まれているかどうかです。ICチップ自体はカード内に埋め込まれていますので、目視することは出来ませんが、ICチップの上には端末と接触して通信をするための金属端子がかぶせられています。
ICカードの端子はカード表面に現れていますので、カード券面に数ミリ四方の金属端子があるかどうかでICカードを見分けることが出来ます。
ただ、ICカードには接触式ICカードと非接触式ICカードがあります。クレジットカードやキャッシュカードなどの接触式ICカードの場合は上記で記載した通り、カード表面の金属端子で見分けることが出来ます。
しかし、交通系のカードに代表される非接触式ICカードはICチップと通信のためのアンテナが全てカード内部にありますので、残念ながら金属端子の有無で見分けることが出来ません。
磁気カードの見分け方
磁気カードの見分け方は、カード券面に磁気テープがはられているかどうかです。磁気テープの色は様々ありますが、オーソドックスなのはやはり黒色です。
カード券面の裏面に黒いテープがはられている箇所があれば、磁気カードになりますので、カード券面を見ればすぐに見分けられるでしょう。
また、磁気カードにはカード券面の一部に磁気テープがはられた磁気ストライプカードと全面磁気カードがあります。磁気ストライプカードはクレジットカードやキャッシュカードに用いられており、上記で記載した通り磁気テープの有無を確認すれば見分けられます。
ただ、テレフォンカードやポイントカードなどの全面磁気カードの場合は、カードの裏面全体に磁性体が塗布された形状になっていますので、カードの裏面全体が黒や銀色になっているかどうかで見分けると良いでしょう。
ICカードと磁気カードのセキュリティは?
ICカードと磁気カードのセキュリティ性能は、ICカードの方が磁気カードに比べて格段に上です。
というのも、そもそもなぜ近年これまほどまでにカードのIC化が進んできたかというと、セキュリティを強化してより安全にカードを利用するためなのです。
ICカードは、膨大な情報を暗号化して記憶しています。そのため、磁気カードのようにスキミングなどで情報を簡単に盗み取ることが困難になっています。
また、ICチップ自体も構造が非常に複雑で偽造が困難になっていますので、複製カードを作成して不正利用されるリスクも極めて低いのです。
さらに、磁気カードを店頭で利用する際の本人確認はサインのみですが、ICカードの場合は基本的に暗証番号の入力で認証を行います。
ICカードは、記憶容量の大きさから本人確認情報もしっかりと暗号化して記憶することが出来ますので、仮に第三者に渡っても暗証番号を知られない限り不正に利用されることはありません。
クレジットカードもICカードが主流に
キャッシュカードや交通系カードなど、様々なカードが磁気カードからICカードへ移行しています。クレジットカードももちろん例外ではなく、現在新たに発行されているクレジットカードのほとんどがICカードとなっています。
特にクレジットカードは、磁気カード主流の時代にスキミング被害が多発したという経緯もありますので、各カード会社でもセキュリティ強化のためICカードの利用を推進しています。
JCBカードや三井住友VISAカードといった大手カード会社では、早い段階からICカードの発行、切り替えを進めています。
また、JCBカードや三井住友VISAカードでは、ICカードの推進だけではなく、24時間体制の不正利用感知システムやワンタイムパスワードなど、高い意識をもってクレジットカードの安全性を高めるサービスを提供しています。
クレジットカードは、今後ICカードが主流になりますので、必然的にカード自体の安全性は高まりますが、万が一の時のためにもカード会社が行っているセキュリティ面での取り組みにも注目したいですね。